ファッション業界の労働問題って?
近年、エシカルファッションが注目されています。
エシカルファッションとは直訳すると倫理的なファッション、人や環境に優しいファッションと言えます。
少し前までトレンドだったファストファッションから、どのような流れでエシカルファッションへシフトするようになったのか。
今回は、エシカルファッションが注目されるきっかけとなった労働問題についてご紹介いたします。
ファストファッション
2008年頃から日本でもH&M、ZARAやForever21などのファストファッションが流行に。
最先端のトレンドでありながら低価格で手に入るので多くの人が魅了されました。
商品の入れ替えサイクルも早く、店舗に陳列される商品が数週間で変わります。
労働問題
2013年、バングラデシュの首都ダッカ近郊で、縫製工場などが入った複合ビルが倒壊し、1,100人以上の死者を出しました。
違法にビルを建増し、事故発生前には従業員がビルに亀裂が入っていることを指摘しながら、工場の経営者は従業員らに仕事を続けさせました。
安全管理を怠り、利益を追求した結果、多くの犠牲者を出すこととなりました。
当時の労働環境
月給は約3,900円。労働者の8割以上は35歳以下の女性で、1日あたり16時間の労働を課せられていたケースも。
出産・育児休暇はなく、家族へ会えるのは1年に一度だったとも言われています。
*国際労働財団調べ
ファストファッションからエシカルファッションへのシフト
こうした事故もあり、短納期且つ低コストの大量生産をすることで成り立っていたファストファッションは力を落とすことになります。
日本でも2017年OLD NAVY撤退、2019年Forever21とAmerican Eagleが全店閉店するなど、ファストファッションからエシカルファッションへとシフトしていきます。
ファッション業界の透明性
Everlane
オフィシャルサイトで「Radical Transparency」として全てのプロダクトの工場や原価、製造にまつわるストーリーをオープンにしています。
この他にも、労働組合や人権団体から成る連合により、アパレルブランドや小売業者に製造工場の開示を求める動きが活発化しており、消費者が製造の背景を知る環境が整ってきています。