サステナブルな漁業のための課題と取り組み

まとめ

 

日本の食卓に並ぶことの多いお魚。

私たちの耳にはあまり届くことがないかもしれませんが、水産業では乱獲や環境汚染が問題となっています。

 

日本の水産業をサステナブルにするべく発信をしているシバイコウタさん(YouTube「コウタの水産業復活チャンネル」で検索!)

 

今回は、シバイさんに「サステナブルな水産業」についてお伺いした内容をご紹介します。

 

なるべくお魚を食べないという行動以外での、お魚を食べる際に気をつけるポイントなどもまとめています。

 

「乱獲?環境汚染?生態系への影響?」「豊かな水産資源(お魚)を未来につなげるには?」「サステナブルな水産業ってどういうの?」という話を中心にしていきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね✨

 

 

乱獲

 

世界の水産資源の3分の1は乱獲(獲り過ぎ)状態であり、資源に余裕があるものは1割程に留まっています。

 

日本の海でも、資源が枯渇しているものが5割、資源が豊富なものは2割に満たない状況です。

 

その影響は漁獲量にも現れており、日本の漁業・養殖業生産量は1984年の1,282万トンから2015年には469万トンとピーク時の3分の1にまで落ち込んでいます。

 

2018年にはさらに下がって442万トンにまで減っており、水産資源のさらなる減少が懸念されています。

 

 

ノルウェーの対策

 

ノルェーでは、漁師の平均年収は620万円~900万円(日本では260万円程)で、国民平均の500万円を上回っています。

 

漁船には最新のクレーン機器などの導入により肉体作業を減らす取り組みがなされていたり、トレーニングジムを設置するなど労働環境整備にも力を入れています。

このため、漁師を志す子供達は多いと言われています。

 

ノルウェーでは科学的根拠に基づき、あらかじめ獲って良い量を決め、それを漁業者や漁船ごとに振り分け、過剰な漁獲を禁止する取り組みを遂行しています。

 

 

ニュージーランドの対策

 

乱獲により一度危機的状況に直面するも1986年に資源を適切に管理していく方向に切り替え、現在では成功事例として注目されています。

 

ニュージーランドでは、漁獲量が毎年政府が定める許容商業漁獲量(TACC)によって厳しく制限されています。

 

一度 TACC が定められると、水産事業体は一定の漁獲枠の中で漁獲を行なうよう、政府 の厳しい管理下・監視下におかれます。

 

このシステムは QMS(クオーター・マネージメント・シス テム)と呼ばれ、ニュージーランドの持続可能な漁業管理のもっとも重要な概念となっています。

 

ノルウェーと同じく科学的根拠に基づいて資源管理を行っており、日本も参考にしたいポイントです。

 

 

養殖の課題

 

「人工的に作られた養殖であればサステナブルでしょ?」というわけではありません。

 

餌の問題、例えばマグロを1kg太らせるために15kgのイワシが必要で、このイワシは自然界から獲られています。

 

マグロが養殖いけすから海に逃げて脱走してしまうなど、養殖している魚が何らかの影響で自然界に出てしまうことがあり、その地域の生き物(生態系)に与える影響は計りしれません。

 

排水の問題、汚染水(餌の食べ残しや魚のフンが沈澱したもの)が海に排出された際には、周辺の生態系についての影響も懸念されます。

 

 

養殖の課題を解決するために

 

MSC認証、あるいはASC認証のついた水産物を「サステナブル・シーフード」といいます。

 

MSCとは、水産資源と環境に配慮した漁業で獲られた"天然"の水産物の証。

一方、ASC認証とは、環境と社会への影響を最小限にして育てられた"養殖"の水産物の証。

 

サステナブルな養殖がなされていることを示すASC認証を取得するためには、いくつもハードルがあります。

 

それらのハードルを乗り越えるべく、地域漁業者や水産関連企業、市場やNGOなどが連携して取得を目指す養殖漁業改善プロジェクト(AIP)が世界各国で活発になっています。

 

認証を一部の人に任せるのではなく、業界全体でサステナブルな仕組みとなるように協力しながら、AIPに取り組んでいます。

 

日本でも、西友などが参加して「宮城女川銀鮭 AIP」が日本初のAIPとして2018年に始動しました✨

 

 

水産業をサステナブルにするために、どんなお魚を買えばいいの?

 

水産業をサステナブルにするために、わたしたちができることの一つが、”サステナブルであることを示す国際認証”のMSC・ASCラベルのついた「サステナブル・シーフード」を選ぶこと。

 

✔  MSC認証(天然水産物)

✔  ASC認証(養殖水産物)

✔  BAP認証(養殖水産物)など。
 

ラベル付き商品画像

 

サステナブル・シーフードを積極的に選ぶことが、重要な海の資源を守ることにつながります。

 

イオン、西友、COOP、セブンイレブンなどで商品数を拡大中なので、ぜひチェックしてみてください✨

 

 

水産業をサステナブルにするために、何に気をつけるべき?

 

✔   魚には旬があると認識すること

1皿100円の回転寿司、スーパーに並ぶ1年中安い価格で販売されているものはどこかに負荷がかかっています。

 

✔  魚の流通を意識すること

日本近海にある水産物を地球の裏側からわざわざ持ってくることはどこかに負荷がかかっています。

 

 

まとめ

 

サステナブル(=持続可能)とは、ずっと未来にも続いていくということ。

 

海にいる生物の「適切な量」を超えて獲り続ければ、どんどん減ってゆき、将来的に水産資源は枯渇していきます。

 

また、魚を獲る際に、混獲や乱獲による他の魚種や生物への影響、及びその環境に配慮しなければ、豊かな海の生態系が壊れていってしまいます。

 

過剰な漁獲を行わず、資源を枯渇させないこと。

 

水産業が生態系に与える影響を考えながら、生態系の構造・多様性・生産力などを維持できる形で漁業を行うこと。

 

水産資源と環境に配慮して、適切な漁業の管理システムをしっかりと構築し、守っていくこと。

 

消費者がMSCやASCラベルのついた”サステナブル・シーフード”を選ぶことによって、厳しい取り組みをしている漁業者を支えることにつながり、持続可能な水産資源を確保することにつながっていきます。

 

私たちの選択で豊かな水産資源を未来へと引き継ぎたいと思います。

 

 

(参照)

水産庁 (1)漁業生産の状況の変化

農林水産省 主要漁業先進国の漁業政策の分析

MSC(海洋管理協議会)ジャパン、ASC(水産養殖管理協議会)ジャパン 「サステナブル・シーフードとは?」